津田美智代の芯体操 Shin Experiences

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2012年10月号

 

六十七十ははなたれむすめ             芯体操代表 津田美智子

 東京・三宅坂の国立劇場のロビーに、木彫りの「鏡獅子(かがみじし)」が据えられているそうです。高さ約2メートル、モデルは歌舞伎の六代目尾上菊五郎です。新聞に載っている写真からは、舞台の一瞬の緊張が表現されていて、思わず引き込まれてしまいました。作者の平櫛田中(ひらくしでんちゅう)は日本近代彫刻を代表する人ですが、構想から約20年、戦争による中断を経て1958年に完成させたそうで、当時すでに86歳だったそうです。
 その後、20年近く作り続け、107歳で亡くなられました。お孫さんによると、「おとこざかりは百から」と書くようになったのは九十代後半からだそうです。最晩年、彫刻が作れなくなって書を楽しみ、この言葉を多数書かれたとのこと、この気概には感嘆しますね!「六十七十ははなたれ小僧」という言葉を言い換えて「六十七十ははなたれむすめ」という言葉も家人に残されています。
 こういった言葉は、いくつになっても私達を奮い立たせる素晴らしい言葉だと思います。ご自分が元気に長生きされたからこそ、言えることなのでしょう。田中が終生大切にした言葉に「守拙求真(しゅせつきゅうしん)があります。師の岡倉天心に言われた「売れないものをお作りなさい」という言葉にも通じ、なるほど田中の彫刻人生を表しているのかと作品を見て感じたことでした。
 近年、なんでもが氾濫している世の中ですが、ひとつのことを極めるという集中力に欠けるような気がします。携帯電話、スマートホンなどの普及で、得られることも多いかもしれませんが、無くしていることの方が大きいのではないかと思います。言葉を使わないことや、文字が書けなくなり、余程の事が無い限り手紙も書かなくなっているのではないでしょうか。
 田中の記事を読み、107歳の歳月の重みを感じました。彫刻に取り組むエネルギー、精神力、豊かさを彷彿させる人生を思いました。対象物を瞬時に捉える力が私にはあるのだろうか否、とても私には真似ができないことです。でも、私には身体で表現する作品を創る喜びがある、それはある意味、瞬時に表現するということでは似ている部分もあるのかもしれません。
 でも、私はまだまだ、「はなたれむすめ」です。そう思えるだけでもほっとします。とても深い慈しみを頂いたような気持ちです。

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インストラクター試験合格おめでとうございます。

 先般行われましたインストラクター試験に見事合格されました谷口知美さんと本多真理先生に原稿を寄せていただきました。

 インストラクターの試験を受けたことで、気付けたことが本当に沢山ありました。無事にインストラクターとなれた今、感動と感謝の気持ちでいっぱいです。これからも勉強を重ねて、より多くの人に芯体操の素晴らしさを伝えることができるように頑張ります。よろしくお願いいたします。

谷口知美

 谷口さんは現在ミュージカル劇団「音芽」のダンスリーダーです。ミュージカルは歌って踊って役を演じるという大変ハードルの高い事を舞台で行われなければなりません。『音芽』もことし10周年。結成まもなくから芯体操と共に歩み、ダンスはもちろん最近では立ち振る舞いや歌声にも芯の姿をみせてくれています。この度谷口さんがインストラクターに合格させていただきました。これから益々身体をみつめて芯体操にミュージカルに励んでほしいと願っています。

本多真理


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編集後記                              定兼信子

 先日、近代洋画の父と呼ばれる高橋由一の絵を観てきました。江戸時代末期に生まれた由一には留学の経験がなく本場の西洋画を知らずに写実に挑み、生み出した油絵は和製油画として日本的な写実で傑作を遺しています。活躍をはじめるのは明治維新後の40歳を越してからで、代表作は鮭・花魁・豆腐などです。
 1月から芯体操十周年記念パーテイーの打ち合わせやレッスンが始まりました。以後10ヶ月間知恵を絞り、身体を絞り・・
気がつけばもう秋!。今月は発表会もあり大変ですが頑張っています。衣装も全部決まりました。乞うご期待で〜す。


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