2014年3月号
身体に間(ま)をとる 芯体操代表 津田美智子
先日、対談されている萩本欽一さんの姿をテレビで見ました。現役引退かというような内容でしたが、その中で、舞台稽古風景が映像で出てきて、おもしろいことを言われました。
稽古付けている役者さんに、「ポーズを決める時はね、なんというのかな、足上げてね、そこに間をつくるのよね。」と、思いを伝えるためにもどかしそうにそうおっしゃっていました。
欽ちゃん(こう言わせてもらいます)ってご自分の感覚を説明するのに、自覚していないことでも自然にされていることが理に適っているなあと感じ、とてもおもしろい時間をいただきました。
例えば、欽ちゃんは倒れた時に瞬間に足を上げて、足首のところに間を感じるのという説明をしています。また、ふと顔を上げてあごを指さしここに間があるとも言われました。それは、「芯体操」でいうなら引き合いということになります。筋肉を引き合ってお腹を使って、ポーズを一瞬間キープしているということです。
なぜ欽ちゃんが一世を風靡したのか、その回答がここにあったのです!坂上次郎さんとコンビを組んで、結構きついアクションの連続でしたが、人にアピールするコツをつかんでいたのです。身体で表現するために間の取り方が大切だということを知っていらしたのですね。
身体を鍛えていた訳ではないと思いますが、ひょうひょうと身軽なフットワークが欽ちゃんのつかんだ動きの原点だったかもしれません。それが、何十年も続けてきた中で、後進の役者さんを育てるために伝えようとされていることでした。
「芯体操」で目指していることは、さまざまな方法の運動で深層部の筋肉を動かし、バランスを得ることで宇宙からのただ一本の紐、「芯」を身体に通すことなのです。「芯」を通せば、手足は軽く動くようになるのです。
手足の自由(骨盤と肩甲骨の歪みを改善する)は身体に間をとることができ、表現につながるということをお伝えするために、毎日集中して取り組んでいます。
吹二公民館教室から 中野響子
吹二公民館教室は今年で丸7年になります。
昨年は6名の方々が入会され、にぎやかで明るい雰囲気の中、楽しくレッスンしています。
ストレッチから始まり、座骨乗り、足合わせ、芯マッサージ、お手玉など、芯体操ならではの運動に皆さん真剣に取り組まれ、初めの頃はできなかった運動もだんだんとできるようになっていらっしゃいます。
そんな中で自然に背筋がきれいに伸びるようになっていたり、正座ができるようになったり、膝の痛みが改善された、よく眠れるようになったという声をいただいています。
また、普段の生活でも身体を意識するようになったという嬉しい声も多く聞かれます。
それぞれに忙しい暮らしの中で、このように自分の体と向き合う時間を共に過ごせることに感謝しつつ、これからも本当の意味で健康な心と身体を目指して人生を楽しんでいけるように、レッスンに励んでいきたいと思います。