津田美智代の芯体操 Shin Experiences

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2016年8月号

リオデジャネイロ五輪に想う        芯体操代表 津田美智子

 お盆休みと重なり、徐々に盛り上がってきた五輪、開催までは世界情勢からの影響もあり、参加辞退者もでるということも含め懸念していました。しかし、4年間この日のために頑張ってきた選手たちにとっては、五輪に夢と希望をかけて臨む大舞台なのです。舞台の大小に拘らずチャレンジする気持ちは人間の生き方に大きな力を与えてくれるのでしょう。
 体操男子団体総合で日本は金メダルを獲得しました。同種目の金は二〇〇四年アテネ五輪以来三大会ぶりだそうです。内村航平さんは、このアテネ五輪をテレビで見て憧れたのが原点であり、銀に終わった北京、ロンドン五輪の悔しさは如何ばかりか、そんな思いで臨んだ今回の快挙はすばらしいものがあります。さらに個人総合もすごい闘いの末、金メダルでロンドン五輪に継ぐ二連覇を果たしました。
 最後の鉄棒で大逆転という闘いは実技にも勝るメンタルな世界で行われました。集中力がからだの全てから感じられました。力を入れることなく、研ぎ澄まされたこころとからだの統一感を感じました。テレビの画面を通してよりも現地で見れば、きっと空気が違うのだろうなと思いつつ余韻に浸っております。アテネ五輪の映像を見てみました。そうだった!大好きだった富田洋之さんが出ていたのです。「美しい体操」日本の今につながる目標を目指した人でした。点数よりも、そこにこだわった成果が如実に現われていました。
 スポ―ツ体型というのがあるように、やり過ぎるあまり筋肉を固めすぎていて、体重をかけ過ぎて常に故障者が多いのも無理がありますが、その中で美しさを求めることはとても理に適っていると思うのです。「芯体操」で、からだのバランスが悪い場合は歩き過ぎないように言いますのは、筋肉を鍛えるあまりからだの自由を奪ってしまうことがあるからです。体操という競技種目は勿論筋力がかなりいりますが、以前は吊り輪など種目別では筋肉がムキムキの方が多かったのです。
 それが、個人総合等の場合、六種目やろうと思えば、バランスの良いからだが必要なので、近年は鍛え方が随分進化していると感じられます。
「芯体操」で目指しているのは勿論健康体をつくることです。それを考えますと、骨が繋がる関節を正常にすること、それを支えている筋肉をゆるめ、伸ばし、自由にすること、筋肉の中を通っている各循環機能を正常に働かせることが大切です。その結果は身体表現が可能になることで、「美しいからだ」を創ることなのです。
 内村さんの演技を見ていて、スポーツではないけれど、どんなからだになりたいのか、「芯体操」におけるイメージがさらに膨らんで、「芯体操の金メダル」をみなさんに差し上げてみたいと思っています。

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芯体操を始めて     コ・ス・パ SENRITOよみうり教室 倉島 哲(あきら)

 昨年11月から千里中央の教室でお世話になっています。週に一度だけの参加ですが、練習が終わるたびに背筋が伸びた感じがして、たいへん気持ちが良いことにくわえ、教室の雰囲気がとても良いのでなんとか現在まで続いています。
 芯体操の事を知ったのは、津田先生の『奇跡の芯体操』をたまたま見つけたのがきっかけです。用事があって京都に行ったある日、本屋の棚にならぶ背表紙をざっと見ていたとき、「芯」の文字がふと目に止まったのです。
私が「芯」の文字に惹かれたのは、学生の頃から陳式太極拳を練習してきたためです。太極拳をやっていると、いろいろな面白い感覚が生まれます。たとえば、「纏絲勁(てんしけい)」とは、両腕両脚が回転しつつ連動する感覚です。また、「聴勁(ちょうけい)」とは、相手と自分の身体が接触した点に生まれる力の流れを感じ取ることです。しかし、「正中線」や「体軸」と呼ばれる身体の芯の感覚については、これが大事であることを頭では理解し、たまにぼんやりと感じることもあったのですが、常にはっきりと感じるというわけにはいかず、いろいろ模索していたのです。
 芯体操を始めてまず驚いたのは、ひとつひとつのポーズに対してとても細やかな指導が行われる点です。表面的な姿勢のみならず、目には見えない内的な感覚にも言及した指導です。私が最初に言われたのは、長座のポーズのさいに踵を意識することと、胸を出さないことでした。いわゆる腹筋に類する運動は世にあまたありますが、踵と胸に対する意識のありようまで厳密に定めた運動は初めてです。しかし、この意識のありようとそれにともなう力の入れ方の微妙な変化こそが、たんなる表層筋の運動と、芯を鍛える運動の違いをもたらす決定的な要素なのだと思います。これを思うと、レッスンの間中ほとんど間断なくスタジオに響く津田先生の声がとてもありがたく感じられます。
 現時点での私が、まだまだ十分に理解できていないのは、先生がたびたび口にされる、「くるぶしから膝裏までの筋が太腿を通って臀部まで回り込む」という感覚です。これがわかれば、足腰の無駄な力が抜けて、太極拳も新たなレベルに到達できるのではないかと勝手に想像しています。気長に練習したいと思います。

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