2019年6月号
『からだは健康になりたがっている』
芯体操代表 津田美智子
私の愛読書アンドルー・ワイルの著書にも出てくる一説でもあるが、私自身がからだのアクシデントと対峙する中で、感じ続けてきたことばでもある。彼が研修医としての臨床訓練の期間、その後の彷徨の旅の期間を通じてずーっと求めていた医学は、ボブ・フルフォード博士が行なっているような医学であったと語っている。博士は、有名なヒポクラテスの二大訓戒、「まず、傷つけることなかれ」と「自然治癒力を崇めよ」を良心的に守り抜き、彼が出会ったはじめての治療家だったと述べている。
今の医学では、私のような体験をしたものは、助からないという状況に陥った時、初めて心の対話が出来たのが彼の存在であり、ことばであった。彼が、フルフォード博士から学んださまざまな知恵のうちで医師としての彼の仕事に役立つと思われた言葉が、冒頭の「からだは健康になりたがっている」また、「治癒は自然の力である」 「からだはひとつの全体であり、すべての部分はひとつにつながっている」 「こころとからだは分離できない」 「治療家の信念が患者の治癒力に大きく影響する」等々であった。
これらのことばは、私が受けたからだの状態にあまりにも当てはまったので私は救われたのだ。だからと言って芯体操がみなさんの病気を治そうなんてことは、まったく論外のことであり、その為にマッサージという道をひらいたわけではなかった。
私に出来ることは未病のうちに芯体操のすばらしい運動の数々が、自然治癒力を生み出すからだをつくってくれるということであったのだ。それは医学的な治療では助からなかった私が、健康になりたがっているからだに向き合い、その訴えに全身全霊で応えようとして闘った中から生み出した運動だからだ。
博士は、年を重ね、一方で患者の数が増えるにつれて、引き受ける患者の年齢制限の上限を引き下げていったそうだ。「大きくなってから起こる病気の多くは出生外傷によるたまりにたまったひずみの結果なんだ。生れてから24時間以内の骨はゼリーみたいにやわらかいから、簡単に正常な位置にもどせる」「子供の治癒力はすごいからね。拘束が固着に至るだけの時間を経てないんだ」とも言っている。
足や腰の痛み、痺れ、全ての症状は、からだに原因があり、私はレッスンの中で出来るだけそのことを伝えようとした。芯体操をすると、なりたいからだが訴えてくれる。骨盤が変わろうとすれば、膝も足首も全部緩めてつなげてほしいと言っている。もっともっと、向き合ってあげてほしい。
みなさんのからだを治すのは自らの治癒力を高めること、その手段を私はみなさまに差し上げてきたつもりである。
津田代表のブログより
「筋肉は鍛えない」「肩や膝と肘、手首、足首などは、その関節を固める使い方はしない」「腰、胸を反らない」「踵から頭まで1本の軸(芯)を伸ばす」
からだの中心を感じ、全身がバネのように伸縮し、筋肉を柔軟に、しなやかにバランスよく骨を支えるからだづくりが必要なのです。年だからと動きを制限するのではなく、また、痛いのに歩くのではなく、痛みの状態を正確に把握したうえで適切な運動を行いましょう。
芯体操は、その全てを学びながら、動けるからだを目指しています。驚くほど精密なからだの構造も、知ってみるとおもしろいですね!
今日の風は何色? 須藤 由香
ご存知の方も多いと思います。ピアニスト辻井伸行さんが子供の頃にお母様に尋ねられた言葉です。とても素敵な表現で心が癒されます。
子育てに思うところがあり、こちらにたどり着きました。私の子供はまだ言葉を話しませんが、いつも、何を思ってどんな心の言葉を持っているのかなぁと思います。わかってあげられないことも、たくさんあります。でも、子供は楽しそうです。言葉で助けられたり、落ち込んだり色々ですが、この、『今日の風は何色?』に不思議と勇気をもらえました。
編集後記 大石恵
鴻池教室に四月、五月と代行レッスンに参りました。お仕事を持つ方も参加できる夜七時半からのお教室です。月二回、三人の会員さんが、身体を繋げることを特に意識しながら、芯体操を学んでいらっしゃいました。開設から十年。お母さんになった岸上インストラクターとまた新たに励まれますように!
また、遊びに行きたいな‥
近くには豪商鴻池家ゆかりの鴻池新田会所があります