津田美智代の芯体操 Shin Experiences

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2019年12月号

「令和」の年が温かい豊かな年でありますように芯体操代表 津田美智子

 前回100号を発行したのは2011年7月でした。その年の3月11日は日本列島を震撼させた、東日本大震災が起こった年でしたので、100号特集号は前向きに捉えて先ずは、みなさんにもお元気になって頂きたい思いで総力を挙げてお届けすることができたのです。その後、著書2012年『奇跡の芯体操』・2017年『奇跡の芯体操U』を発刊することで、チャリティー活動に貢献することもできました。
 未病のうちに健康なからだを目指すという使命を感じながらの年月を経て、2019年12月、200号をお届けすることになりました。災害や京アニの悲惨な事件など後を絶たない世の中ですが、年号も令和に代わり天皇陛下の即位を祝うパレードに約11万9000人の観覧者が慶びの気持ちを表し、新しい年に夢と希望を願う気持ちが日本列島を駆け巡ったように思います。
 「本来(ほんらい)無一物(むいちもつ)」という言葉が好きです。 (本来とは本質的、根源的という意味です。) 禅の端的を見事に言い当てたこの語は、中国禅宗の第六祖となった慧能(えのう)禅師の言葉です。
 第五祖弘忍(ぐにん)禅師のもと七百人余りの弟子達がいる中、寺男として米つき部屋で黙々と働いていた慧能が継ぐことになります。
 「悟り」や「煩悩」の概念にとらわれた世界をバッサリと否定し、そればかりか「一物もない」という考え方さえない、一切のとらわれを否定し尽くした世界こそ禅であると説いたのです。ダウン症の金澤翔子さんの書かれた「無一物中無尽蔵」(むいちもつちゅうむじんぞう)は特に彼女の世界も感じ、心が熱くなりました。
 知識や学問があろうと無かろうと万人の下に平等に在ること、物質文明の生活に浸りきって分別にとらわれた生き方をしている私たちも、深い「無一物」の世界はすぐ身近にあるのだと思うのです。全身全霊を打ち込んだ徹底集中、慧能の米つき仕事のようにやり遂げようという心こそ、その扉を開ける尊い力です。
 自分の中にあるそうした力を信じ、とらわれない心で豊かに生きたいものです。
 芯体操は、からだと向き合いながら「芯の世界」を求め続けていきます。

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芯健康セラピストはなぜ生まれたのか?

 芯体操創立から7年の月日を経て、からだの全体が繋がっていることを学び続け、骨、関節、筋肉の仕組みを知れば知るほど、見える・聞こえる・感じる・味・匂い(味がしない、匂いがない方がいる)など人間の持つ力とからだの相対性を考えるようになりました。 所謂、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」などの 『五感』が明解になってきました。 これらが正常であるためには筋肉のバランスを整えることが、必須であるとの確信から、初期の頃から始めていたマッサージを進化させ運動効果を高め、幸せの種まきをお伝えするために生まれたのです。
芯健康セラピストの誕生

 
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『たくと』         くずは教室 阪下りつ

 昨年、不安になると心臓が痛いと訴え、さんざん母にマッサージさせたたくとは、マッサージをすれば元気になると理解しました。保育所に迎えに行った際、
「あー疲れた」と、こぼした母に、
「たくとくん、マッサージしてあげるからな」と自転車の後ろに座りながら小さな手で背中を時計回し。
「ほら、もう元気になったから速く走れるで」と言ってます。母はゼンマイ仕掛けの自転車こぎ機かい。と思いながらなんとか家まで連れて帰りました。
 ふくらはぎが、こむら返りになりそうに痛んだ事がありました。踵プッシュを意識して体操したり、マッサージしていたのですが治りません。筋肉はつながっているから、痛むところだけマッサージしても治らないよね。この痛い筋肉はどこにつながっていたかしら。と、考えながらけい骨に沿ってマッサージし、膝、踝から踵、足の甲、腸骨、大腿筋膜張筋、いろいろマッサージするのですが改善されません。
「あかん治らへん」と言いながら階段を降りていると、後から降りてきたたくとが、
「マッサージしてあげるわな」と、肩甲骨の下のあたりを時計回し。階段を降りきって椅子に座ると、えっ!
ふくらはぎの痛みが無くなっているのです。
「治った。たくと一体どうやったん!」
「えっとな、大きい指には力入れないで、お兄さん指と、お母さん指とお姉さん指でしてん」
「すごいなぁ上手やなあ。これで今日はぐっすり寝れそう」
と寝かしつけを始めると、今度は骨盤回りの筋肉がバラバラになっていきそうな痛みが始まりました。
「今度はこっちが大変」とマッサージを始めたのを見て
「もう、たくとくんが、マッサージしたろーか」と腰の辺りを回します。気持ちが悪い。
「たくとくん、反対に回してない?」
「えっ!ほんと?」
「あれ?あってるかな」など言いながら時計回ししてもらっていたら痛みが無くなりました。
「えーまじで!たくとすごいなぁ。この才能を伸ばさなあかん。先生に弟子入りせなあかんで」
「弟子入りって何?」
「せんせいの下でお勉強すること」
「保育所ずーと休まなあかん?」「え・・・」「やらん」
まさか先生も保育所児を弟子にはとらないでしょうが、幼い子の感性はすごいなぁ。と思います。自分がマッサージされている感覚を受け取って返せるのです。
今日はママの誕生日だね。とパパが言うのを聞いて
「たくとくん、ママにマッサージしてあげるわな」と言ってくれました。
「マッサージの勉強に行ってくるね」という母に、「腰が痛くなったらいつでもマッサージしてあげるからなー」と送り出してくれました。この子は、母に愛をくれる子です。
 帰宅すれば「何の勉強やったん?」「手と足のマッサージの仕方?」と聞いてきます。
たくとに説明は出来ないので言わなかったけれど、勉強会の中の『全体』というのは、このところよく考えます。
就学すれば文字学習が始まる。文字学習が大変すぎて目が奪われがちだが、子どもの発達はそれだけではない。
大好きな事があり出来る、遊べる、気持ちが言える、人と関係が結べる、身の回りの事ができる、人の気持ちがわかる。体が動かせる。体が繋がっている。
生きている世界全て、『全体』なのだ。
そして全ての事は繋がっている。それは発達にでこぼこがある(出来ることと出来ないことの差が激しい)子も、体が思うように動かせない子も同じなのだ。文字が書ける、読める、計算ができる。 というのは分かりやすいが、それだけに特化しては無理なのだ。
というよりもむしろ意識的に『全体』に働きかけなければならない。困難だから無理ではなく、丁寧にじっくり手をかけてあげねばならない。
2009年に、第1回芯健康セラピストの養成講座。 芯健康セラピスト1期生の誕生です。そして、年に1回の資格者のための勉強会も今年10回目になりました。

 
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『芯健康セラピスト勉強会へのおもい』

 日々の暮らしの中で起こるちょっとした痛み、風邪ひき、異変が感じられた時には、病院に駆け込むのではなく自然治癒力で改善しましょう!と芯体操発足当時から先生は繰り返し伝えてこられました。
 セラピスト勉強会も回を重ね、マッサージやからだのしくみを学ぶと同時に自然整体運動でからだ全体を理解できるようになってきました。やっとあらゆる動植物が生まれながらにして備えている生得権と言われている自然治癒力が働くからだになってきました。自然治癒力を目指している私達は薬をもらう羽目にならないように、自分のからだとしっかりと向き合い、本来のからだが求めている方向を探っていきたいと思います。
 呼吸についても「いのちは最初の呼吸ではじまり、最後の呼吸で終わる」という言葉に身が引き締まる思いでした。【呼吸の観察、まず呼気から、宇宙と息を合わせる】という段階をふんだ誘導に従い、芯呼吸を体験することができました。
 それは「自分を宇宙に呼吸される者」として受け身にイメージする。(・・自分のからだが自分の肉体でないような不思議な感覚でした。)生かされている感覚というのは、このような感覚なのでしょうか?
 今回の勉強会で、からだの中心、繋ぐ、そして呼吸を整えてもらい、芯の世界を初めて垣間見せていただきました。これからが楽しみです。
 芯体操はマッサージや運動、言葉や音楽の選択などまさに津田先生が身をもって創造された類をみない整体運動です。芯体操が発足当時初めに教わった運動は坐骨乗りだったと記憶しています。次から次へと超人的な感覚で運動を生み出し、思わぬ発想でダンスも制作されてきました。毎回のレッスンはとても楽しく意欲が湧いてきます。私達の殻をやぶり沢山の気付きをもらっています。レッスンについていけてないところも沢山ありますが、時間をかけてからだにやさしい方法で「健康」なからだに近づくことができます。
 芯体操は繊細で優しく誰もが健康で幸せになれる素晴らしい体操になりました。    定兼信子

 
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芯体操 今を生きる        芯体操代表 津田美智子

 2002年の芯体操創立は、1975年に始めた健康体操の道を歩み始めた頃からすでに導かれていたように思います。こうして、『芯体操だより』を発行し続けてきた年月が鮮明に蘇ります。「一瞬一瞬を精一杯、前向きに生きる」いつも新たな道を踏み分け、後ろを振り返りもせずひたすら前を向いて歩いてきた今、私達の後ろに道があるのです。芯体操の世界は無限の未来、どうして人体はこんなに精巧に理に適って創られているのだろう・・・
 レッスンから生まれてくる感覚を、畏敬の念を持って唯々眺め、驚かされることがあります。いつもからだと向き合いからだの神秘を感じています。信じることのできるからだ、抗うことのできないからだ、こんなに教えてくれるからだを無視することはできません。だから今を精一杯生きることを伝えたいのです。
 からだに必要なことはのびのびと自由に動けること、踵から頭まで芯を通し、全身を使うこと、今を生きるということはからだの隅々まで清浄な空気で満たされることです。みなさまと共に生きられるなら、からだと対話しながらからだの訴えていること、なりたいことを見つめ続けたいと思います。
 芯体操の世界は、「気にするものは何もないのだよ。何もないことを知れば、心もからだも解放されて自由になれるのだよ」と教えてくれます。
素晴らしい未来のためにからだ本来の力を信じて「未病のうちに健康なからだづくり」を目指しましょう!

 
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編集後記         芯体操一同

 芯体操一同、力を合わせ「芯体操だより200号」をお届けすることができました。
 思えば1999年の「芯身ウキウキフェスティバル」講演会を皮切りに、芯体操の歩みが始まり20年の月日が経ちました。胸を張って言えることは、いつも、精一杯の気持ちで生きてきたこと・・・みなさまにはいつも、温かいご声援、ご協力を頂き心よりお礼申し上げます。
 芯体操は、さらに心と身体の健康を目指して精進してまいります。
 今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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