2021年10月号
人形操演ってご存知ですか? 芯体操代表 津田美智子
私が思い浮かべるのは、30代ぐらいに日本橋にある文楽劇場によく通った「文楽」と言われる「人形浄瑠璃」の舞台です。これは、浄瑠璃(三味線演奏との語り)と人形によって演じられ、太夫、人形遣いの「三業(さんぎょう)」で成り立つ三位一体の演芸です。主遣い(おもづかい)が首(かしら)と右手、左遣いが左手、足遣いが脚を操作します。「頭(ず)」と呼ばれる主遣いの合図によって呼吸を合わせています。
人形遣いと言えば吉田簑助さんファンの私はこの世界しか知らなかったのですが、先日NHKのプロフェッショナル「仕事の流儀」という番組で人形操演 山田はるかさん(42)が紹介されました。人形劇として子供番組でぴょこぴょこと動き回る人形芝居的な印象しかなかったのですが、「命を吹き込む女性、舞台の秘められた物語」として初めて裏方で頑張る姿にスポットをあてその一生懸命に生きる姿に圧倒されました。
「心をこめる 人形を生きる」
殆ど中腰の姿勢で、手は上げっぱなしの体勢にも拘わらず真剣に向き合う姿が番組を見ている者の心を動かしました。
人形についてはひもで動かす操り人形か、手をからだの布に突っ込んで動かしているイメージしかなく全く無知でした。人形浄瑠璃のように三人で担当するのでは
なく頭からからだ全身をつなぎながら少しの道具で一人で操っているのです。
感動したのは、交通事故で記憶を失った青年と妻へのインタビューが行われたのですが、本番前にはご本人たちのリハーサルがモザイクをかけて映されていました。それを袖ではるかさんは真剣に見ていたのですが、本番では二人のブタのお人形が並んでいます。先ほどのご本人の声と共に話し出した映像は、ぬいぐるみのブタさんとは思えません。落ち着いて考えながら話す姿はその青年の人柄が、こちらにも伝わってきてそっと目頭をぬぐう姿もこちらの心を震わせるのです。
穏やかな呼吸の仕方、息づかい、髪をちょっと触ったり、話さないときには話をじっと聞いているという気持ちが一挙手一投足から 伝わってきます。人前に出るのが苦手だったけれど今回の番組収録により改めて仕事のことや自分の気持ちに向き合う時間ができて、何より沢山の人に人形操演という職業を知って頂くことができて嬉しかったそうです。
芯体操でからだづくりをしていれば表現力が生まれますよ!私も猫とワンちゃんの柔らかいぬいぐるみと一緒に会話すると手足を動かすことで首から頭に繋がって泣いたり、笑ったりとても感性豊かに動いてくれます。ぜひ、試してくださいね!なお、NHK教育「ねほりんぱほりん」という番組にも出演されています!
膠原病が寛解しました! 向日教室 太田圭子
私は2012年春に突然 悪性リュウマチを発症し、足のあちこちが痛み動かなくなりその後肩、股関節、指など痛みが全身におよび寝起きは困難、一人では歩けなくなり、紙一枚が擦れても激痛でした。病院に行くと「その他の膠原病」と診断され、痛み止めの薬は欠かせなくなりました。年明けて1月から発表会に向けての練習が始まります。仲間の皆さんと一緒に絶対出演したい思いがあり参加し3月には発表をやり終えました。
しかし緊張していた糸が緩んだのか夏には痛みが再来。思い余って定兼先生のマッサージを受けました。痛みがスッと軽くなりその日は久しぶりによく眠れました。その後の検査であまりの回復ぶりにお医者さんが「なにかしましたか?」「芯体操とマッサージを受けました」と言うと驚いておられました。
しかし12月に再び体が悲鳴を上げ始めちょっと触れるだけでも壊れるガラス細工のようでした。再度マッサージを受けました。でも全く良くならずかえって痛みが増した感じでした。ところが一週間をさかいに突然体が楽になり全身が繋がってきたように感じ毎朝目覚めるのが楽 しみでした。その後も一進一退を繰り返しましたが芯体操は毎日続けました。
発病から5年目に入った検査では身体の炎症度(痛み)が9から0.03(通常)となり関節の痛みもほぼなくなり腫れがなくなり、薬の投与も半分に減り正座も出来るようになりました。「驚異だ。昔は不治の病だと言われていたのにほぼ完治したね」と言って下さるほどになりました。
9年目に入った今年「もう寛解状態でほぼ正常です」と言われました。芯体操を続けてきて本当に良かった。今幸せです。
ある日突然何が起こるか分からないという経験をまさに身をもって体験しました。元気な時から体操を続けてきたからこそ自分の体の回復力の強さや早さが分かります。芯体操をしていなければ病と向き合い闘っていけなかったと思います。
ウシの訓練
温暖化と生物という見出しで「ウシがトイレの訓練」という記事に興味が湧きました。記事によるとウシの尿が土の中で分解する際、亜酸化窒素を発生し、地球を暖める作用が二酸化炭素の350倍。世界の温暖化ガス排出量の約6%を占めるという。これからのウシは尿を回収するために排泄の訓練を受けなければならないのです。排尿のたびにエサを与え、トイレの外でもらしたときは水をかけ、数週間で16頭のうち11頭がトイレで用をたせるようになったそうです。
ウシと言えば私も小学4年生頃から家で飼っていた乳牛を連れ一時間ほど散歩させるのが日課でした。初めは父の横を散歩のつもりで歩いていましたがいつしか私の仕事となりました。コースは二つあり、一つは奥山の入口まで。途中に花の栽培をされている同級生の家があり、出荷される沢山の色とりどりの花が納屋から見えて羨ましかったことが思い出されます。もう一つは家の前に広がる水田のあぜ道を回るコース。所かまわず排尿排便する(昔はのどかなものでした)ウシにも慣れて小さな女の子が一人で大きな乳牛を連れ歩いている姿に驚き農作業の手を止めて「大丈夫?えらいね〜」と声をかける人もいました。うちのウシ達は暴れることもなく適度に運動排泄を終え、表情穏やかに一歩一歩家路についたのを思い出しました。